社外で業務を行う場面では、技術的対策だけでなく人的・物理的な注意も欠かせない。分野06「技術的対策(セキュリティ機器・製品)」と分野07「人的対策と物理的対策」の観点から、どのルールが何を防ぐためのものかを考えながら読んでほしい。
大問:L社におけるテレワーク環境の情報管理
L社は、従業員120名のコンサルティング会社である。週に2日までのテレワークを認めており、業務は会社が貸与したノートPCで行うこととしている。顧客から預かった資料を扱うため、情報の取扱いには社内規程を設けている。
〔L社のテレワーク規程(抜粋)〕
| 項番 | 遵守事項 | 主な目的 |
|---|---|---|
| 1 | 社内システムへの接続は、必ずVPNを用いる。 | 通信の盗聴を防ぐ |
| 2 | 貸与PCのハードディスクは暗号化しておく。 | 紛失・盗難時の情報流出を防ぐ |
| 3 | 業務データを個人所有の機器や記憶媒体に複製しない。 | 管理外への情報の拡散を防ぐ |
| 4 | 離席時は必ず画面をロックする。 | 覗き見や無断操作を防ぐ |
| 5 | PCの紛失・盗難に気付いた場合は、直ちに情報システム部へ連絡する。 | 遠隔でのロック・消去を速やかに行う |
〔発生した事象〕
コンサルタントのM氏は、移動時間を活用するため、駅構内のカフェで貸与PCを開いて顧客向けの提案書を作成していた。その際、店内の無料Wi-Fiに接続し、社内システムから資料をダウンロードした。このWi-Fiは、接続時にパスワードの入力を求められないものであった。
作業の途中でM氏は飲み物を取りに席を立ったが、荷物を置いたままで、PCの画面は開いたままであった。戻った際、隣の席の人物がこちらを見ていたように感じたが、特に異常はないと考えてそのまま作業を続けた。
帰社後、M氏は上司にこの経緯を報告した。上司は、実害が確認されていないとしても、規程に照らして複数の問題があることを指摘し、あらためて全社への注意喚起を行うことにした。
表1の「遵守事項」と「主な目的」の対応関係を押さえると、M氏の行動のどこが問題だったかを判断しやすい。技術的対策で守れる範囲と、人の行動に委ねられる範囲を分けて考えるとよい。
以下の理解度チェックでは、上記の大問を踏まえて、通信経路の安全性、規程違反の特定、各対策の目的という3つの観点から設問を用意した。文中の事実関係に立ち返りながら、それぞれ最も適切な選択肢を選んでほしい。
ぞうログ